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腰痛すっきりのストレッチ

    相撲の「股割り」をまねれば腰痛も改善

相撲の立ち会いの際、当たり合う力士の腰には、瞬間的に何百kgもの圧力が加わるといわれています。しかし腰を痛める力士が少ないのは、一つにはまわしの効果があげられます。まわしをきつく締めることで、ちょうど空気でぱんぱんに張ったボールのように腹圧が高まり、腰に加わる衝撃をやわらげてくれるのです。そしてもう一つ、稽古でたいせつなのは「股割り」です。股割りは両足をほぼ180度に広げてしりを落とし、上体を前に倒して地面にぴったりとつける動作です。相撲の世界では入門するとすぐにこの股割りの稽古を始めますが、体が柔らかい10代の新弟子たちでさえ、最初はなかなか地面に胸がつくところまではいかず、目に涙を浮かべながら必死に股割りの稽古をしているものです。しかし、そこまでしてこの稽古を行うのも、要となる腰を守るためで、昔から股割りができるようになれば、腰痛にならずにすむといわれています。

股割りの動作では、股関節をやわらかく動かし、しかもふだん使わない膝の裏の筋肉をよく伸ばさなくてはいけません。日ごろ脚を曲げることは多くても、脚を意識的に伸ばすことはほとんどなく、こうして下半身の柔軟性を保つことは、腰に加わる衝撃をやわらげることにつながります。顔が地面につくほどに上体を曲げるためには、腹筋の力も必要となります。股割りの稽古は腹筋を鍛え、腹圧を高めることで背骨をガードする効果もあるのです。

体がかたくなっている人こそ、腰痛の予防や解消のために股割りで体の柔軟性をとり戻してはいかがでしょうか。最初は、脚を広げる幅は無理なく広げられる範囲でけっこうです。上体を前へ倒すときには、後ろからだれかに押してもらうのもいいでしょう。広げる足の幅が狭くても、前にあまり倒れなくてもいいので、とにかく膝を曲げないようにして行うのがコツです。膝を曲げてしまっては脚の筋肉が伸びず、腹筋も鍛えらません。1日10分ほどから始め、慣れてきたら徐々に時間を延ばし、2カ月ほどつづければかなり股割りらしくなってくると思います。また、股割りによって腹筋が鍛えられた結果、便秘が解消することも効用としてあげられます。

(〈財〉日本相撲協会診療所医師 林 盈六)

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