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    腰椎椎間板ヘルニア

どのような病気か

背骨を形成する椎骨と椎骨の間には、背骨にかかる衝撃をやわらげる働きをしている椎間板があります。椎間板は、丸いゼラチン状の「髄核」を中心に、その周囲を「線維輪」という丈夫な組織がとり巻いています。ところが、この弾力に富む椎間板は20代になるとしだいに水分が失われ、変性してくるので、このころから線維輪にひび割れなどが生じます。そんなとき椎間板に強い圧力が加わると、髄核が線維輪にできた亀裂から押し出されることがあります。これが腰椎で起こるものを、「腰椎椎間板ヘルニア」といいます。椎骨の前方は強い靭帯に支えられているので、髄核が飛び出すのは椎骨の後方が多く、ほとんど左右どちらかに偏っています。このように髄核が飛び出したり、膨らんだりして後方にある神経根を圧迫するために腰に痛みが起きるのです。ヘルニアを起こす場所はほぼ決まっていて、第4腰椎と第5腰椎の間、もしくは第5腰椎とその下の仙骨の間に集中しています。坐骨神経痛の原因になり、若い世代に多く見られるのも特徴です。

主な症状

腰椎椎間板ヘルニアは、ただ腰が痛いだけではなく、下肢にまで痛みやしびれが放散するのが特徴です。立った姿勢よりも、前かがみや座っているときのほうが椎間板にかかる圧力が高くなるために、痛みが強くなります。また、坐骨神経に連なる神経根が圧迫されると、太ももやふくらはぎ、足にまで痛みが及ぶ、「坐骨神経痛」が起こります。ほかには、下肢の筋力の低下や麻痺、排泄障害が見られる場合もあります。安静にしていると痛みは軽くなるものの、そのまま放置すると、腰に負担がかかったとき、さらに椎間板から髄核が押し出されるので、慢性的な症状になっていきます。また、ラセグー徴候といい、あおむけに寝たときひざを伸ばして痛い足を持ち上げると、健康な場合は80~90度まで上がりますが、痛みで上げられないのも特徴です。

家庭、病院での治療法

痛みがはげしいときは、横になって軽く足を曲げるなど楽な姿勢で安静にします。飛び出した髄核や線維輪が自然と吸収されてなくなる可能性もあるので、3~6カ月間は保存療法で様子を見ます。その間は、薬物療法や神経ブロック、コルセットの装着、温熱、牽引療法などを行います。

保存療法を行っても症状が改善されない、神経症状が強い、日常生活に支障が出ているという場合は手術を行います。今も昔もいちばん行われているのが、「ラブ法」といい、背中の皮膚を切開し、飛び出した髄核をとり除く方法です。直視下手術のほか、顕微鏡や内視鏡手術もあり、手術は30分~1時間程度で終わります。それぞれ1週間前後の入院が必要(顕微鏡、内視鏡手術のほうがやや入院期間は短め)で、術後のリハビリも大切です。ほかには、レーザー療法でヘルニアを蒸発させたり、キモパパインを注入して椎間板を溶解する方法がありますが、レーザー療法は適応が限られており、注入療法はアレルギーを起こす可能性があります。日本では健康保険の適応となっていません。

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