どこのご家庭にも、古くなった歯ブラシがあると思います。レンジまわりの掃除や靴みがきなどに利用するのもいいでしょうが、慢性腰痛の予防や改善に効果のある「おなかみがき」にも、ぜひお使いいただきたいものです。
腹筋と背筋は相互にバランスよく働くことで腹圧を高め、腰をガードしています。ところが、中高年になると腹筋の働きが衰え、背筋に負担が集中して、これがしばしば腰痛の原因になるのです。衰えた腹筋を鍛えるといっても、いわゆる腹筋運動ではなかなか長続きしないものですが、手軽なツボ刺激を行うだけでも、腹筋が活性化して、背筋とのバランスをとり戻すことができます。この刺激にうってつけのツボが、おへその真横、指幅3本分の位置にある「天枢」です。
歯ブラシで小さな円(“の”の字)を描くように、左右の天枢のあたりを軽くこすります。おなかがたるんでいて腰が痛むというかたは、天枢をこすると痛むことがありますが、がまんしてこすりましょう。就寝前などにこの「おなかみがき」を左右で計3~4分行うのを習慣にすれば腹筋の血行がよくなり、おなかに力がよみがえってきます。
(刑部忠和)