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しっかり腰痛対策

    ギックリ腰の後は、こんな「動作」に注意

ギックリ腰でこわいのは、繰り返すうちに椎間板の損傷が進み、椎間板ヘルニアを起こすことです。そうならないためにも再発予防に努め、日常のささいな動作にも意識して膝を使ってください。

ギックリ腰は、洗顔で洗面台に前かがみになっただけでも起こることがあります。腰椎の椎間板には、まっすぐ立っているだけで100kgもの圧力が加わっていますが、20度おじきをすると腰椎は上体を支えるテコの支点となるため、加わる圧力は150kgに上昇します。同じ動作でも膝を軽く曲げて行えば、椎間板にかかる圧力の上昇が軽くなるのです。床に落ちているものを拾う場合も、必ず片膝をついて拾ってから立ち上がるようにします。重いものならなおさらです。

5kgの米袋を運ぶ場合で考えてみましょう。しゃがんで片膝をつき、米袋を引き寄せた姿勢から立ち上がったときでも、腰椎を支点としたテコの原理で、背筋は米袋の重さの5倍の力が要求され、腰椎への加重は30kgにもなります。もし膝を伸ばして立ったまま持ち上げると、支点から米袋までの距離は先ほどの3倍になるので、必要な背筋力も3倍になり、腰椎への加重は80kgにも増大するのです。

ほかには、日常のどんな動作でも、動作に入る前に落ち着いて一拍おく習慣をつけることです。筋肉は、内臓の筋肉など意思によって動かせない不随意筋と、手足の筋肉のように意思で動く随意筋があります。腰の筋肉は随意筋のひとつで、脳の命令によって動いていますが、反射的に体を動かすと態勢に入る前に動作が始まり、ギックリ腰を招く結果になります。さらに座っているときは立体よりも腰にかかる負担が大きく、腰椎の椎間板には140kgもの圧力が加わっています。ふいに振り返った場合などはそこにひねりが加わるので、ギックリ腰を起こしても不思議ではありません。振り向く前に一拍おくことで、腰を守ることができるのです。

(城南病院院長 石塚忠雄)


腰(第3腰椎椎間板)にかかる圧力は、姿勢によってこんなに違う。
(数字は体重70kgの人の場合)
(Nachemson,1976)

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