ラジオ体操の動きの一つに「上体回し」がありますが、これは背骨を保護している背筋や腹筋を強化するのに効果的です。またその効果を高めるためには、立った姿勢より、立て膝をついた姿勢で行うほうがいのです。
とくに腰痛の予防や改善を目的とする場合は、上体を回す前に準備運動として、“腰ひねり”を行います。床に立て膝をつき、上体をゆっくり左へひねったところで一息休み、同様に今度は右へひねり、3~4往復します。反動をつけずに、上体だけを左右真横に向けるつもりで行ってください。
それが終わったら上体回しです。立て膝をついて両腕を前に伸ばした姿勢から、腰を中心に上体を360度回します。両腕が時計の2本の針になったつもりで、初めは上方に小さな円を描き、体が慣れてきたら大きな楕円を描くように回すのがコツです。左回し、右回しを交互に5~6回ずつ行ってください。
もうひとつ、すわり仕事に伴う腰痛に効果のある動作を紹介します。まず足を肩幅に開いて立ち、腰に手をあてます。そして腰を斜め前に手で押し出すようにし、左右交互に5~6回ずつ行ってください。これは体操というほどではありませんが、背骨や骨盤のゆがみを矯正する効果があり、上体回しとセットで行えば、腰の痛みをやわらげる相乗効果が期待できます。
(吉田健一)