背骨にある五つの腰椎のうち、最も酷使されるのは下の2個、つまり第4腰椎と第5腰椎です。このため、第4~第5腰椎のまわりの筋肉も酷使され、しばしばこりや重い痛みを発します。このような筋肉性腰痛によく効くのが、「腰眼」というツボへの指圧です。
腰眼のさがし方には少しコツがいります。脇腹のやや後方(背中寄り)を指でまさぐって、まず肋骨の下端を確かめます。そこから指で下方にさぐっていくと、腸骨の上縁にぶつかります。左右の腸骨の上縁を背中で結んだ線上(ちょうど第4~第5腰椎の間を通っている)で、背中の中央から指幅3本分外側にあるのが腰眼です。
腸骨の上縁に沿うように、親指を背中側にして両手を腰に当てると、親指の先がちょうど左右の腰眼に当たります。腰に手をあてがった姿勢のまま親指を固定し、ゆっくり腰を左右にひねってみてください。左にひねれば右の腰眼が、右にひねれば左の腰眼が自然に強く圧迫され、心地よい刺激がツボに加わるはずです。腰がぱんぱんに張ったようなときは、この一人指圧を左へ右へと計30回ほど行うと腰が軽くなるのが実感できるでしょう。
なお、この腰眼への刺激は、冷えや精力減退を伴う腰痛にも効果的です。
(刑部忠和)