足には慢性腰痛に効くツボが点在していますが、そのほとんどは膝から下に集中しています。それぞれ位置と特徴を覚えておくと、一人でも簡単にツボ刺激を行えるので便利です。 「陽(よう)陵(りょう)泉(せん)」は、長時間のデスクワークやドライブ、また悪い姿勢での生活によって起こる筋肉性腰痛に効くツボです。位置は、膝頭から外(小指側)へ指をずらしていくと、そら豆大の骨(腓(ひ)骨(こつ)小頭(しょうとう))にぶつかりますが、この骨のすぐ下にあります。
筋肉性腰痛では、この陽陵泉に、症状に応じて「崑崙(こんろん)」や「中封(ちゅうほう)」というツボを組み合わせて刺激します。おじぎができない、後ろへそると痛むなど、体の前後屈で痛むときは崑崙です。また寝返りが打てないなど、左右へひねるときに痛むときは中封です。位置ですが、崑崙は外くるぶしからアキレス腱へとなでおろしたくぼみの中に、中封は内くるぶしの前方すぐ下にあります。付近を指で強く押しながらさがせば痛みを感じるので、すぐに分かるでしょう。
慢性腰痛の原因が筋肉ではなく、椎間板や関節、あるいは骨自体を痛めいてる場合は、「太谿(たいけい)」を使います。内くるぶしからアキレス腱へとなでおろしたくぼみの中で、かかとをはさんで崑崙とちょうど対称の位置にあります。また、腰椎にもそのまわりの筋肉にも原因がなく、消化器の弱りや生理痛に伴って起こる腰痛には「足の三里」への刺激が有効です。足の三里を見つけるには、人差し指の第一関節を反対側の足(左手なら右足)の向うずねの太い骨の上に当て、ゆっくりとこすり上げます。その指が膝下の骨にぶつかって止まったとき、指の先端がさしている位置にあります。
(鍼灸東洋院院長 竹之内診左夫)